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2020年横浜トリエンナーレにて発表。パフォーマンスとインスタレーションから構成される作品。 作品の発端は、渋谷の混雑した人波を自転車ベルを手で鳴らしながら進む一人の男性を目にしたことにある。 本来は移動のための道具が、静止した身体によって用いられるという状況に興味を抱き、タンは枯れ枝に自転車ベルを取り付けたハンドベルとして再構成した。 COVID期には、街の混み具合の異なる場所でこのベルを用いてパフォーマンスを行い、「注意を促すこと」と「距離を求めること」が同時に生じる緊張を探った。 インスタレーションでは、その考察が建築的な場へと拡張される。 コンクリートの円形開口部の下に植えられた生木の枝に、複数の自転車ベルが赤い紐で結び付けられ、来場者が引いて鳴らすことができる。 枯れ枝のベルが都市の歩行者の時間性を捉えていたとすれば、生木の揺れる枝と風による葉擦れの音は、神社で鈴を鳴らし存在を告げる行為のような、より静かで精神的な余韻を生み出している。

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